なぜスキーが好きなのか
私はなぜスキーが好きなのか。 まず、スキー場のトップから麓が一望できる。とても大らかな気持ちになれる。 この感情の正体は、下界との決別というより、むしろその景色の中に自分がいて、全てを許せるような、受け入れられるような感覚に近い。 あまりに巨大なものを前にすると、自分という存在が溶けてなくなる。自分…
愛とは、二つの孤独が互いに守り合い、触れ合い、迎え合うことである
まず絶対的な前提について触れなくてはなりません。孤独とは、私とあなたは永遠に別の個体であり、決して一つにはなれないという変えようのない事実のこと。私たちは一つになれないから、放置すれば暗闇に落ちてしまう。だから、私たちは理屈を超えて求め合う。それは遺伝子レベルの切望とも呼べるもの。生物として強く惹か…
天国の日々
鑑賞後、これまでの映画体験では一度も味わったことのない、強烈で、そして静謐な感覚に包まれた。もうしばらくは他の映画を見ることができないかもしれない。それは、あまりにも美しいもの、あまりにも完成されたものに触れてしまった後に訪れる、一種の虚脱感、あるいは深い充足感にも似ていた。 この言葉にならない感動…
ジャンヌ・ディエルマンにおける日常と形式のラディカリズム
シャンタル・アケルマン監督が1975年に世に送り出したジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔23番地は、映画という言語そのものへ挑戦し、観る者の知覚に対し深く鋭い問いを投げかけてくる記念碑的な作品だ。 その核心には、日常というものの執拗なまでの描写とそれを強固に支える厳格な形式主…
グランジを聞く春
この世界には、心をガツンと殴ってくるような、強烈なコンテンツがある。例えば、グランジ。あれは、とんでもなく効く。 第一に、音が最高にクールだ。それは、ツルツルに磨き上げられた、どこにも引っかかりのない音じゃない(もちろん、そういう音にも良さはあるけど、今はグランジの話)。歪んでいて、ザラザラで、ノイ…
映画パーフェクト・デイズ
この世界にはたくさんのおもしろいものがありますよね。例えばアンパンマン。あれはものすごくおもしろいです。 まず、顔がパンというのが良い。食べられる。自分の顔をちぎって仲間に分け与えられるカリスマ性がアンパンマンにはある。アレクサンドロス大王のよう。しかしアレクサンドロス大王は熱病に侵されて死んだが、…
Charlatans
シャーラタンズのバチクソい曲を集めたから、ここで供養しておく。 https://open.spotify.com/playlist/6pWdWj1GUSM82nMe0a9DsZ?si=mo-YYEnwQUCVrzHg7xQFmA まじで、えげつないくらいかっこよくないか? ほんまに、めっちゃくちゃか…
時間の使い方
週末に少し休む時間ができても、何か生産的なことをしていないと落ち着かず、年100本以上見てた映画も、毎週末出かけていた登山も、全然みたりやれたりできなくなりました。 こうした症状は、世間でワーカホリックと呼ぶそう。 それは単なる働きすぎとは異なり、仕事そのものに依存する状態を指している。仕事を行うと…
四苦八苦、生まれた瞬間から死に向かって生きている
「四苦八苦」という言葉は、厳しい状況や困難に直面している様子を表したいときによく使われる。だけど、もともとの意味は少し異なる。人間が生きる中で避けられない苦しみの種類を示す仏教の教えに由来している。 まず四苦とは、「生老病死」を指す。私たちは、どのような環境や条件で生まれるかを選ぶことができず、年を…